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火も風も空も無い世界で君は僕を想い歌う

詩を書いています。 ダメ詩ですが良ければ見てやって下さい。

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long long ago…

あなたに初めて逢ったのは遠い遠い昔の話
あなたは身動きできなくなった私を
恐れることなく助けてくれた

灼熱の砂浜を渡る舟のように

何度も何度も
その舟に乗り 冷たい海の底にはない温かさを知った

泳ぎ方を知らなかった私たちは
いつの間にか溺れていたの

息もできない幸せな海で
私は あなたを待っていた

いつもの岩に腰かけ
いつものように髪を梳きながら

次の日も次の年も
ずっとずっと


ある朝 海の底で あなたを見たわ

朝日に照らされた海の底で
あなたは横たわり 動かなかった

あなたは怖かったのね
異なる種を愛すことが

でも もう自由なの
私は今も変わらず想ってる


深い深い海の底で
愛しい あなたの御魂を探しながら
今度は あなたが待っててね

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海の乙女

美しい歌声
甘く恍惚に妖艶に歌う
聴いた者を魅了する

異様でありながらも美しい
儚い 海の乙女

聴いてはいけない
どんなに美しくとも
どんなに好奇心があっても

ひとたび聴いてしまえば
正気を失い
恋い焦がれ
彼女の後を追うだろう

死にたければ
人魚の歌を聴け

導く人魚と共に海へ入ったら最期
身も心も喰い尽くされる

魂に自由はない

捕らわれ 瓶詰めにされ
彼女らの娯楽の鑑賞物となる

遺骸も魂も海の中に捕らわれ
永遠に上がることは出来ない

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付喪神

真っ暗な世界が永遠に続く部屋の中
修復できない傷を負い
生成されるのは絶望のみ

僕の希望は忌ま忌ましい光の中で押し潰され
壊れた希望は取り戻せない

僕は“生きるのは無駄だ”と未来を捨て
それならば光に焼かれ 消滅しよう

そう思っていたのに

今も存在し続けているのは
僕のために涙を流した君がいるから

孤独と絶望を抱え
のた打ち回りながら
滅するのだと思っていたのに

君が僕の希望に見えた

“見えた”んじゃない“なった”んだ

君がいるなら
未来を生きたいと思った

現に君は僕の存在理由
僕の孤独を埋める花

染み付いた すえた匂いを
花の香りで消し去ってくれる


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HN:
霧景
性別:
非公開
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